傀儡后(牧野修)

毒電波強い。人工の皮膚を着ることで別人のように凶暴になるところなどK・W・ジーター「ドクターアダー」みたい。独自の世界観に惹かれるが、その世界観が現実世界に拡がってくるような怖さは無い。そういう世界なのね、だからそこでは気持ち悪いことが沢山おきるのね、と。安心して楽しく読める。
著者の作品では「MOUSE」がとても良かったので手にとって見たが、あの切なさや切羽詰った感覚をないまぜにして最後にドカーンとぶち壊すダイナミズムが感じられず、食い足りなかった。他のも少し読んでみよう。