ミリオンダラー・ベイビー(クリント・イーストウッド、2004)

ボクシングの試合で得たファイトマネーでマギー(ヒラリー・スワンク)が家族のためにしてあげたことを迷惑そうにする母と兄弟。家族という理由だけに拠っているこの甘えと対照的な、マギーとフランキー(イーストウッド)の互いを尊重する関係。寝たきりとなったマギーの願いを叶えてやるフランキーの決断は、真摯で重い。
この映画での尊厳死の取り上げ方は多くの議論を呼んだらしい。簡単に答えが出る問題ではない一方、法律は厳然と存在する。フランキーのように自分は決断することができるのか。すべきなのか。
脇のモーガン・フリーマンがいい味。何かで見た俳優と思ったら、スピルバーグの「アミスタッド」の新聞記者、デイヴィッド・フィンチャー「セブン」でブラピと組む刑事だった。まだ見てないけど09年の「インビクタス/負けざる者たち」でもイーストウッドと組んでる。ネルソン・マンデラ役をマンデラ本人が直々に指名したらしい。確かに、容貌と演技力を考えたら他に適任はいない…か。