2010-07-26から1日間の記事一覧

兇眼(打海文三)

複数のプロットが並行で語られるが、どれも中途半端というか食い足りない。 主人公、雑誌記者の女、逃亡集団の女、探偵社の女調査員、それぞれの視点で物語が進行し、傍流にカルト教団の始まりから終焉、主人公の過去などが絡むが、尻すぼみなのが雑誌記者の…

粘膜人間(飴村行)

最悪。ナチュラルに気分が悪くなる。文庫版の巻末にこの小説が長編賞を受賞した第15回日本ホラー小説大賞の選評が掲載されているが、林真理子の選評に近い感じ。構築しようとした世界に魅力を感じないではない。が、読み進むのに苦痛を感じた小説は久しぶり…

傀儡后(牧野修)

毒電波強い。人工の皮膚を着ることで別人のように凶暴になるところなどK・W・ジーター「ドクターアダー」みたい。独自の世界観に惹かれるが、その世界観が現実世界に拡がってくるような怖さは無い。そういう世界なのね、だからそこでは気持ち悪いことが沢…