第9地区(ニール・ブロムカンプ、2009)
ヨハネスブルクが舞台だとか、異星人が隔離されているとか、アパルトヘイトと結び付けられた評論も多いみたいだが、どうも違うように感じた。むしろ、政治色の強い映画のパロディとして撮られた印象が強い。戦闘シーンや黒人ギャングのボスなど「ブラックホーク・ダウン」のパクリでしょ。面白かったけど。
エンタテインメントとしてはグロいシーンが多いが、アクションやVFXなど良くできてる。所々で挿入されるドキュメンタリー風インタヴューや監視カメラ映像、ニュース映像も効果的。主人公は行方知れずのまま終幕するが、闇に葬られたというより「よくわかんないけどどうにかされちゃった」的な終わり方が現代的ともいえる。事件の中心人物に関する膨大な記録が残るのは現実にも有り得ることだし、そうした記録を「再編集した」態で映像作品を作るスタイルは結構好き。リアリティを感じさせる。
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