下妻物語(中島哲也、2004)、ヤッターマン(三池崇史、2009)

深田恭子軸で2本見た。
下妻物語
集団の中に存在意義を見出せない性格が描写されている深田恭子とヤンキー役の土屋アンナ。繰り返される学校での昼食シーン。深田恭子はいつも一人窓際で弁当を食べている。土屋アンナは族のメンバーだが、殆ど集会や集団暴走のシーンが無いことで実は孤立した存在であることを暗示させる。二人は絡み合いながら互いを突き放す。馬鹿にしながら思いやる。この距離感が心地よい。
舞台は茨城の中途半端な田舎だが、コントラストが強く色調がポップで、邦画に有り勝ちなどんよりした感じが無い。田舎であることはストーリーの大きな要素だが、あまり強く意識せずに物語に没頭できる。

ヤッターマン
深田恭子のかったるい喋り方はドロンジョのイメージとはちょっと違和感あり。しかし仮面と衣装はかなり良かった。重量感が感じられるCG もかなりのもの。動きが激しすぎて目がついていかないが。薄暗い画面を俳優が激しく動き回る演出はこの監督の得意とするところか。見てないけど「ゼブラーマン」の監督だし。
実は、原作のアニメ版ヤッターマンは殆ど見たことはないので思い入れがない。なので、実写版がどの程度原作に忠実に制作されているか良くはわからない。タイムボカンシリーズで良く見ていたのはヤットデタマン。基本フォーマットはシリーズを踏襲しつつ、巨大メカ「大巨神」のキャラがイケてた。戦い終わって悪玉トリオが反省を示すと「罪を憎んで人を憎まず」と許してしまうが、その後「木偶の坊」だの「偏平足」だのといった小声の悪口を聞き逃さず、「大激怒!」の咆哮とともにとどめを刺す。大巨神の偽善的で身勝手な性格、大好き。

深田恭子のほかに、この2本に共通の俳優は阿部サダヲ生瀬勝久。この人たち、今やコメディには欠かせない存在ですね。