ブレア・ウィッチ・プロジェクト

本編を観ただけではあまり面白くないかも。行方不明の3人が撮影したビデオとフィルムを映画として再構成したという設定、同じく設定であるブレア・ウィッチ伝説の一部である過去の3つの事件を予備知識として把握して初めて楽しめる。これらの前提がないと、そもそも映画として成立していない意味不明な映像である。
3人が彷徨う場所は起伏もあまりなく木々も疎らで、深い森というわけではない。しかし、4日目あたりから嫌な雰囲気、禍々しさが感じられるようになってくる。夜はカメラの照明のみで殆ど何も見えないためか、意外に怖さを感じない。怖いのは、午後の傾いた陽の中で3人が諍いし憔悴していく光景。何か得体の知れない者が現れる夜に徐々に近づいていく、そのゆっくりしているが確実な時間の流れ。心細さが徐々に恐怖に変化する様を弱まっていく日光が強調している。
イデア勝負の映画ではあるが、抑えた演出や思い切った脚本で成功したのだと思う。